変声障害(声変わり)

声に関する症状 1-7

p.3「変声へんせい障害(声変わり)」

 身体は大人になったのに、発声の感覚が追い付かずに変声期前の高い声のままで発声しようとしてバランスが崩れる状態です。治療/トレーニングは「低い声の出し方を覚える・新しくなった身体で各筋肉や発声のバランスを取りなおす」という作業になります。
 まず第1段階として、骨格=この場合は主に「喉頭こうとう/のどぼとけ」が大きく成長した、つまりギターでいえば弦が太くなった=本来出せる地声の音域が低くなった、のにも関わらず高い声を出そうとするので、声帯が開き気味の裏声になり「かすれ声/気息性きそくせい嗄声させい」になります。これに対しては、まず話し声の改善のために低い地声の感覚を覚えてもらうわけですが、専門の医院では「喉頭/のどぼとけ」を指で下げながら発声する」などの音声治療を行うようです。僕も「喉仏を指で押さえれば低く太くなりますよ、でも自力でできないと意味がないですよ」とは言ってましたが、これを治療としてやっているのは少し驚きました。その他にレッスンでやってもらっている内容は「子音・母音の特性を使って慣らしていく」等です。「オ」の母音や「d」の子音は、発音の構造上低く太くしやすい音になります。
 第2段階としては、その地声が「ガラガラ声/粗造性嗄声そぞうせいさせい」になりやすいのでそれを改善します。これに関しては、医院の治療までは詳しく分かりませんが、ボイトレの観点で言えば「ノイズを除去した発声にする」作業をします。逆にノイズを入れた発声をあえて歌唱に取り入れる場合もありますので、「ノイズのON/OFF」をできるようにすればいいんですが、ノイズといっても各筋肉のアンバランスさが原因になったり、呼気が原因だったり、それによってノイズの音も変わりますのでここでは詳細は割愛します。もちろん声変わり時期によく出るノイズはありますが、それに加えて余分にノイズを作っている可能性もあります。
 第3段階としては、裏声の不完全さを改善します。これに関しては、変声期前に「ヘッドボイス/閉鎖強めで響くオオカミ声」が上手に出来ていれば、そんなに苦労しないんじゃないかなと思います。結局は「新しい身体の状態で、口蓋筋こうがいきんで緊張状態を作れるか」ということになります。

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