筋緊張性発声障害

声に関する症状 1-7

p.2「筋緊張性きんきんちょうせい発声障害」

 歌をやる人が一般的に陥るのがこの筋緊張性発声障害です。もう一度確認しましょう。「発声障害」と言いますが、これを含む「機能性発声障害」は病気ではなく声の出し方の問題です。発声は色々なバランスで成り立っていて、色々な筋肉群をバランス良く使う必要があります。悪いを症状をごく簡単にまとめると、過緊張性かきんちょうせい:力が入りすぎ」「低緊張性ていきんちょうせい:力が抜けすぎ」のどちらかということになります。細かく見ていきましょう。
 まず問題とされるのは「声帯の閉じ具合=声門閉鎖せいもんへいさ」で、閉じる力が入りすぎると「ヴッ…!」と詰まった状態の「喉詰め声のどづめごえ」に、閉じる力が弱すぎる=開く力が入りすぎると息が漏れる「気息性嗄声きそくせいさせい」の状態になります。それから、声の深さ/音色を調節する時や高音を出す時に「喉頭こうとう/のどぼとけ」周辺の筋肉群の過緊張が問題になります。よく言われるのは上がった状態で過緊張する状態で「ハイラリンクス」と言ったりします。
 発声に使う筋肉のうち中心部でバランスを保つ必要があるのは、声帯とその周辺の「内喉頭筋ないこうとうきん」、声帯を包んでいる「喉頭こうとう/のどぼとけ」の外側にある「外喉頭筋がいこうとうきん」、そして「軟口蓋なんこうがい/のどちんこ」を動かすための「口蓋筋こうがいきん」です。その他、腹筋・背筋もパワーの土台として必要になります。
 ボイトレ界では「口蓋筋」の仕組みと役割の説明をしているのを見たことが無いんですが、僕はここに発声の秘訣があることに確信を得てレッスンしている結果、多くの生徒さんが通っている状況があります。色々な発声の問題は、この口蓋筋の扱いで説明がつくし、実際に良い効果を確認できています。この辺の説明に関しては、ボーカルトレーニングのためのウェブサイトにて別途説明します。

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