1.3. 飲酒・喫煙と発声

声に関する症状 1-4

飲酒・喫煙と発声

 飲酒・喫煙が発声にどう影響するか、個人的な見解を示しておきます。しゃがれ声/ハスキーボイスの獲得を目指して飲酒喫煙をすることは話としてよく聞きますが、これ自体は悪いことではないと言えます。実際に飲酒・喫煙が好きな歌手はいるし、それが原因で発声できなくなった、という話も耳にはあまり入って来ません。個人的見解はこうです。
 ①影響が出るのは「声色の変化と低音化」
 ②問題となるのは「重度では病気に」
 ③問題がないのは「高音の発声」

 音色は実際にハスキー寄りに変化します。そして声帯が炎症している状態で酷使したり、飲酒・喫煙の度が過ぎると、前出の「声帯ポリープ」や「ポリープ様声帯」になる可能性があります。ですが、音色はいわば「ポリープ様声帯だからこそこの音色が出るもの」でもあるので、発声がままならないなどの重症な状態でなければ、ポリープ様声帯は適度に保持しても良いもの、と言えます。(とあるお医者さんのブログでも同じ見解を見かけましたが、個人的見解だし程度問題かと思います)
 それから音域に関してですが、「飲酒・喫煙をしたからと言って必ず高音が出なくなるものではない」と言えます。「声は低くなる」ことは確かだと思います。「ポリープ様声帯」になると声帯がむくんで肥大化し、疑似的に声帯が大きく/長くなります。健常時の音域よりも低い音程が出るのは、実例としても確認できるし、理論的にもギターやピアノの低音弦を考えれば理にかなっていると言えます。低音域は低くなりますが、高音域はどうでしょうか。高音に関しては「地声発声に関しては低音域に低くなった分だけ高音域も下がる可能性があるが、裏声発声が上手くできるなら影響がない」のかなぁと考えています。地声と裏声はそれぞれ違う筋肉で発声しています。ギターやピアノで言えば、ポリープ様声帯で低くなるのは低音弦だけで、高音域を裏声で発声できるならば、それはまた違う弦を使うことになる。というイメージです。ミックスボイスは地声・裏声の筋肉がバランス良く使えている状態ですので、「地声の弦」が低音化したとしても、「高音の弦」でカバーできることになります。
 ただ、実際にポリープ様声帯になって声が変わった人のビフォーアフターの発声データを取っている訳ではないので、まだ聞いた話と理論値による推測の域を超えることができません。これに関しては今後も情報収集して考察を深めたいと思います。

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