「気持ちを込める」とは?

 「気持ちを込める」という言葉はよく聞くし、使っている人も多いと思います。でも「気持ちを込めたら良い歌になるのか?、聴き手に気持ちが届くのか?」……自信を持ってYESと言える人はいますか?(ΦωΦ)……この記事では「『気持ちを込める』って何?」について解き明かしていきたいと思います。

「気持ちを込める」って何?

「気持ちを込める」は「お祈り」?

 ハッキリ言ってしまうと、多くの人の「気持ちを込める」は「念じているだけで実際には何も変わっていない」ことがほとんどです。凄い意地悪なことを質問しますが、みなさんは「気持ちを込めた歌」と「気持ちを込めない歌」と、歌い分けることができますか?……誰かがこれを聴いて、もしこの2つに違いが感じられないのならば、「気持ちを込めて歌っているつもりなだけで、聴き手には伝わっていない」ことになります。
 歌っているときに何かの感情に浸るのは必ずやるべきなんですが、実際にそれだけで歌が伝わることは期待できません。「感情に浸ったからと言って、実際に歌い方が変わるわけではない」からです。もしも念じただけで聴き手に気持ちが届いたのなら、それはもはや「超能力」ですよ!

気持ちが入っているように聴こえさせる

 大事なのは「聴き手が変化を聴きとれる歌にすること」です。つまり「気持ちを込めていない歌」と「気持ちを込めた歌」とでは「何かしら歌い方が変わっている必要がある」ということです。

 日本には「察してください文化」があるせいか、「自分のことや気持ちを口に出して伝えなくても、相手が察してくれる」と思っている人が多いと思います。歌においてこれをやってしまうと、大体は「伝わらずじまい」で終わります。「伝えたいことがあるなら、思っていないで、しっかり言葉にして伝えるべき」です。そもそも「伝わるかどうか」を相手任せにするのは他力本願すぎるし、自分のことを思い図ってくれるように相手に行動を求めるのは失礼なこと、だと筆者は思います。

 歌においては「歌い方」が変わるようにしなければなりません。斜に構えた言い方をすると、「気持ちが込められて聴こえるように、歌で演技をすればいい」のです。
 演技をする俳優さん達をイメージしてみてください。自分のことではない人格・ストーリーを、その人のキャラクターが見えるように声色こわいろや口調、仕草や表情を変えますよね?歌に求められるのもそれと全く同じです。

「それってあなたの感情ですよね?」

 「気持ちを込める」を言い換えると「感情表現」と言えますが、ここで一つ疑問を投げかけたいと思います。

「それってあなたの感情ですよね?」

 (笑)。「気持ち・感情」と言っても、多くの人が「自分自身の感情・気分」に浸っているだけなのが現状です。まずもって「楽曲そのものが持つ感情・表情」について考えたことはありますか?……楽曲表現、音楽表現、歌詞表現、感情表現、自己表現……「表現」と一言でいっても、楽曲にもいろんな側面があります。「何をどのように表現するのか」についてもいろいろ考えなければなりませんよ。
 俳優さん達も、自分のことではなくて、登場人物やその物語のことについて表現することを求められます。それを実現するために声色こわいろや口調、仕草や表情を「変えて」演技します。「変わっていないと伝わらない」のです。「役に入る」という言い方をしますが、それは「話し方」を変えて役を演じているうちに、自分の感情が役に追い付いて「気持ちを込めれる」状態になるのだと思います。

 ですから、歌では「歌い方」が変わっていないと聴き手には伝わらないと思っていてください。自分の感情や気分に浸って念じているだけでは、歌は変わらないのです。

「歌い方」を変えるには

  「歌い方を変える」ということは「歌に表情を付ける」ということです。その表情が「表現するべき感情などを想起させるもの」であれば、その歌が「聴き手に伝わる」可能性が高くなります。歌に表情を付けてくれるのは一般的に言われる「歌唱テクニック」です。
 実際どんな歌唱テクニックがあるのかについては「VMW連載版」のほうで5回に渡って動画サンプルとともに紹介しましたので、以下をご覧ください(‘ω’)ノ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

名称 *
メールアドレス *
ウェブサイト