1.9. 「構音障害」の色々と分類

声に関する症状 9

9 「構音障害」の色々と分類

 発声障害は「母音の発声に問題がある」のに対し、この構音障害は「子音の発音に問題がある」と捉えていて大丈夫です。「発声」は母音に焦点があり、「発音」は子音に焦点があります。子音の発音に問題があると、いわゆる「滑舌が悪い」状態になりますが、これらは日常生活にも支障をきたすレベルの症状です。分類は3つあります。

器質性きしつせい構音障害

 これは、口腔周辺の器官に物理的な欠損がある場合等の構音障害です。生まれ付き/先天性の場合もあれば、交通事故などの裂傷で後天的に発生する場合もあります。

運動性うんどうせい構音障害

 器質性構音障害のような物理的な欠損が原因ではなく、神経回路の異常等、例えば舌の筋肉が上手く動かずに正しい発音ができない等が原因となる症状です。

機能性きのうせい構音障害

 「機能性【発声】障害」と同じく、身体に異常が無いのに発音が上手にできない場合は「正しい発音の仕方を覚え間違えている状態」であり、いわゆる「言葉の教室」などで改善することが行われています。顎・舌・唇の形と息の使い方を矯正する訳ですが、これは僕のレッスンでも頻繁にやっていることです。鏡で各器官の形を確認できるので、声帯が見えない【発声】に比べれば、把握しやすい分野と言えます。ですが、矯正がしやすいのは「聴覚が正常な場合」です。聴覚障害が根底にあると本人の聴覚による判断が困難なために、難しい矯正の作業となります。例えば高音域に聴覚障害があると「気息音/s」を使う「サ行」が聞き取りづらく、自分で発音する際もサ行のコントロールができない状態になります。実際にこの状態の生徒さんを一人レッスンしたことがあります。

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